2012 No.20
学習者主体を目指した作文授業導入が学習ビリーフへ与える影響 -M-GTAを用いたビリーフの形成・変容過程の質的研究-

片桐準二


要旨

 本研究は文脈アプローチのビリーフ研究であり、①学習者自身による学習過程の管理、②問題を自ら発見する発見的学び、③他者との恊働、④他者との相互作用による創造、⑤学習者が関与する評価の5つを構成要素とする「学習者主体を目指した作文授業」を実践した。得られた資料を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)で分析し、仮説モデルを作成した。そして、学習者が教師主導型ビリーフを持って授業に臨み、【授業の初めの意外感】を持ちながらも【ピアとの話し合い活動の体験】【評価活動の体験】【作文作成プロセスの体験】から【自己の振り返り】をし、【維持される初めのビリーフ】を持ったまま『ピアから学べる』『作文評価は様々』『自律性の芽生え』『目標意識の芽生え』『文法重視から内容重視へ』の【新たなビリーフの芽生え】を形成する過程を示した。ここから【自己の振り返り】がビリーフの形成・変容に重要だと分かった。

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学習者主体を目指した作文授業導入が学習ビリーフへ与える影響 -M-GTAを用いたビリーフの形成・変容過程の質的研究- -片桐準二

Influence on Learners' Beliefs by Introducing Learner-Agency into Japanese Composition Class: Qualitative Research of the Forming and Changing Process of Learning Beliefs - KATAGIRI Junji