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要旨

　本研究は、フィードバックの教示と推敲の二つの観点から、学習者作文に対する学習者のフィードバック（ピア・フィードバック）を分析したものである。学習者12 名を対象に内容・構成に関するフィードバックのみを行うように教示し、ピア・レスポンスを実施した後、ピア・フィードバックを分析した。その結果、①フィードバックに関する教示がピア・フィードバックの対象や妥当性に強く影響していること、②書き手である学習者はピア・フィードバックの妥当性を判断し、採用するため、推敲成功率が高いことがわかった。フィードバックの教示はピア・フィードバックの妥当性を高めるために有用であるが、ピア・フィードバックが教師フィードバックのように完全なものになるわけではない。しかし、その不完全さを補うものとして、学習者にはピア・フィードバックの妥当性を見極める能力があり、それが推敲の成功に大きく貢献していることが明らかとなった。

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学習者作文に対するピア・フィードバックの分析 ─フィードバックの教示と推敲の二つの観点から─ - 田中信之

An Analysis of Peer Feedback to Essays by Japanese Learners From the Perspective of Feedback Instruction and Revision - TANAKA Nobuyuki