1995 No.03
中級漢字教材の開発 ─『漢字1000PLUS』の指導法
加納千恵子
効率的な漢字学習のためには、初級段階から漢字の構成要素に関する体系的な説明をすることが必要であり、実際の使用場面に即した漢字の整理や、字形や意味、読み、用法などによる漢字の仲間づくりが学習に役立つという立場から、初級漢字教材r基本漢字500BasicKanjiBook』が開発された。本稿では、それに続く中級段階において必要となる学習項目を検討し、非漢字圏のみならず漢字圏学習者にも有用な自律的学習の支援を目指して開発された中級漢字教材『漢字l000 PLUS Intermediate Kanji Book』を取り上げる。中級段階における漢字教育の目標は、もはや文字としての漢字の指導であるよりは、むしろ漢字を使った効率的なボキャブラリー・ビルディングであると考える。教材の構成や取り上げられている学習項目などを紹介しつつ、中級段階の漢字の指導方法について提案する。