1995 No.04
自治体における日本語教育実習の場の提供 ─実施報告と今後の課題─
栗林裕子
1.はじめに
兵庫県国際交流協会は、県の外郭団体であり、1990年設立当初から、外国人に対する支援の一環である日本語教育事業に力を入れている。現在、一般外国人(通年)、留学生(通年、短期集中)、技術研修員(中期集中)などの日本語識座を開催している。また、県内の日本語教師の資質向上への支援とネットワークづくりの推進を目指し、日本語教育ボランティア養成講座の開設、フォーラム、講演会などの開催、日本語教師登録制度の実施などを行っている(資料1)。このような協会における識座の企画・運営や人材の育成、ネットワークづくりの媒介役などを行っているのは、日本語教育指導員である。専門員としての日本語教育指導員の配置は、自治体レベルでは例が少ないが、協会では91年より1名、配置している。