1995 No.03
談話レベルに視点をおいた文法問題集作成の試み
友松悦子・宮本淳・和栗雅子
はじめに
日本語の予備教育における初級段階を終えた学習者は、よりレペルの高い日本語をめざして中・上級に進むことになる。初級日本語文法では、主として助詞や活用語の変化、一文が-つの単純’な機能を果たす文型などを扱うが、中・上級の段階で必要な日本語は、単なることばのキャッチボール的会話や、一文一文の、文としての正確さだけでは不十分で、当然のことながら、さらに複雑な構文、微妙な心情を述べるための表現形式、文脈内のきまりなどが学習の対象となる。