1999 No.07
小学校検定教科書の構文調査 ─外国人児童の教科学習支援のための基礎研究─
中尾桂子
1.はじめに
義務教育課程に編入してきた外国人児童の日本語指導をめぐっては、現在さまざまな問題点があげられるが、特に教科教育につなげるための日本縮指導内容について関心が高い。先行研究では、日本語指導が教科学習の理解補助を第1の目的とすることから、効率よく教科学習のスキルを身につけるため、検定教科書内の語彙に着目した日本語指導の方法が模索されている(東京外国語大学,1998;三島,1996;岩沢・高石,1994;寺田,1994)。日本語学習に教科学習で使用される語を盛り込むことは、学習する際の概念理解を助けるため、限られた時間内での効率化をはかるのに有効である。