2001 No.09
映像素材を使用した学習活動に対する学習者から見たビリーフ ─教室場面の学習活動の場合─

保坂敏子・土井真美


要旨

 近年、日本語教育において多様な映像素材が利用されている。筆者等は現実の生活の中で求められる音声言語理解能力の養成を目的に、授業設計の手順に則り様々な映像素材を利用した授業を計画した。しかし授業を実施してみると、学習者と教師の映像を使った学習の方法や効果に対する考え方、すなわちビリーフにずれがあるために問題を生じることがあった。本稿では、上記のような問題を解決して効果的な学習活動を展開させることを目的に行った映像素材を使用した学習に対する学習者側のビリーフ調査の結果と、それを反映させて実施した授業、およびその結果としての学習者の変容について報告する。ビリーフ調査の結果、学習者は「言語重視」「ボトムアップ的理解重視」の傾向にあることが分かった。このような学習者に対して、他の学習内容や学習方法の有効性に気付かせ、学習者の選択肢を増やすために「意味内容重視」「トップダウン的理解重視」の授業を試みた。その結果、学習者のビリーフに変容が起きたことが確認できた。

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映像素材を使用した学習活動に対する学習者から見たビリーフ ─教室場面の学習活動の場合─ - 保坂敏子・土井真美

"Beliefs" of Learners in relation to the Use of Visual Materials in Classroom Language Learning - HOSAKA, Toshiko & DOI, Mami