2004 No.12
多義オノマトぺの意味・用法の記述と指導の試み ─「ごろごろ」「ばたばた」を例として─
三上京子
要旨
本稿は、日本語の多義オノマトペの意味・用法の記述とその指導法について考察したものである。まず、多義とは何か、多義オノマトペとはどのようなものかを概観する。次に、従来の辞典や教材における記述法とその問題点を考察した上で、「ごろごろ」「ばたばた」という多義オノマトペを例に、その複数の用法と意味のリンクを図の形で一覧にすることを試みる。また、文型指導において重要であるとされる「文脈化」という概念を紹介し、それが語彙指導にも有効であるという考え方を、多義オノマトペを例に示す。これらをもって、オノマトペ指導、広くは語彙教育全般に対する一つの方向性を提示する。