2007 No.15
タイ人日本語学習者の「申し出の断り」表現に見られる「マイペンライ」の影響 -ポジティブ・ポライトネスの表明として-

浜田昌子・成田高宏


要旨

 タイ人日本語学習者は「申し出の断り」場面で「大丈夫」を不適切に用いることがある。本研究では、日本語の「大丈夫」とタイ語の「マイペンライ」の使用範囲の異なりを分析し、語用論的転移がその主な原因であることを見いだすとともに、タイ語母国語話者が「マイペンライ」を使用するか否かは、タイ人関係よりも申し出の内容に強く影響されることを明らかにした。Brown & Levinson (1987) の公式によれば、フェイス侵害度は話し手と聞き手のD(社会的距離)、P(力)及びRx(特定文化においてある行為 x が相手にかける負荷度の絶対的順位に基づく重み)の和であるという。調査結果は、タイ社会における「申し出の断り」のフェイス侵害度を決定する要素として Rx がより大きな割合を占めることを示唆している。授業の際、母語と目標言語の意味上のずれや、ポライトネスに関する文化差などに留意することも、教師の役割の1つとして重要であると考える。

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タイ人日本語学習者の「申し出の断り」表現に見られる「マイペンライ」の影響 -ポジティブ・ポライトネスの表明として- - 浜田昌子・成田高宏

Influences from "Mai pen rai" on Thai Learners of Japanese in the Context of Declination of Ogger -as a Representation of Positive Politeness - HAMADA Masako, NARITA, Takahiro