2007 No.15
作文の変化にピア・レスポンスがどのように関わったか ─中級日本語学習者の場合─

原田三千代


要旨

 本研究では、ピア・レスポンスの活動の実態を捉えるために①活動の前後で作文がどのように変わったか②作文の変化に活動がどのように関わったかを考察することを研究課題とした。
 その結果、①において、活動の前後で内容、構成に関する肯定的な作文の変化が見られ、その変化は段落に及ぶものもあった。②では評価が高い作文、低い作文、変わらない作文、評価に揺れがある作文を取り上げ、活動との関係を考察した。評価が高い作文では、共感的理解や態度で臨むことや他者との意見の差異が意識的に捉え、それを表明することが肯定的な影響を及ぼしていた。しかし、話し合いが充実しても、評価の観点からは質的向上に結びつかない作文もあった。
 一番問題となるのは、評価が低いおよび評価に揺れが生じた作文とピア・レスポンスの関係である。そこではピア・レスポンスの質が問われ、今後長期的な試行の中で、読み手は書き手にどのような足場作りが出来るのか、教師はどのようなサポートが出来るのか考えていく必要がある。

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作文の変化にピア・レスポンスがどのように関わったか ─中級日本語学習者の場合─ - 原田三千代

How Peer Response Affects Writing -In Case of Intermediate Japanese Learners- - HARATA, Michiyo