2007 No.15
第二言語としての日本語の単語認知に及ぼす文文脈の影響 -二言語混在文の正誤判断における抑制効果の観察を通して-

小森和子・玉岡賀津雄・近藤安月子


要旨

 本研究は、心理学的手法を用いて、中国語を第一言語とする日本語学習者の、日本語の単語認知処理における意味的、統語的文文脈の効果について考察するものである。実験(日本語実験と中国語実験)では、日本語と中国語で語順がほぼ同じ名詞文、形容詞文、および語順が一部反対になる二項動詞文の、三種類を課した。実験の結果、日本語実験では、上位群において、二項動詞文の文脈効果が最も高いことが示されたが、下位群では、統語構造の違いによる文脈効果の差は認められなかった。一方、中国語実験では、いずれの構造の刺激文も効率的に処理されることが示された。以上のことから、日本語の習熟度が高くなると、助詞等の意味的、統語的文脈を効率的に活用し、日本語の単語認知処理を行うようになることが、示唆された。

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第二言語としての日本語の単語認知に及ぼす文文脈の影響 -二言語混在文の正誤判断における抑制効果の観察を通して- - 小森和子・玉岡賀津雄・近藤安月子

The Influence of Sentence Contexts on Processing of Words in Japanese as a Second Language -Investigation of Inhibitory Effects in Correctness Decision of Mixed-Language Sentences - KOMORI, Kazuko, TAMAOKA, Katsuo, KONDOH, Atsuko