2016 No.24
日本語教室の相互行為における『話題』の専有(appropriation)―「対話」の談話分析を通して―

寅丸真澄


要旨

 本研究の目的は、学習者の自己形成や自己実現を射程に入れた日本語教室の相互行 為のありようを談話分析の手法によって話題という観点から明らかにし、教師がより よい相互行為を創出するための手がかりを示唆することである。本研究では、日本語 教室における教室活動として実際になされた対話の談話分析を行い、学習者が対話の 場で、それぞれにとって重要な問題を共有し、それを互いに「専有(appropriation)」 していた実態を可視化する。そして、その談話の実態から、学習者の自己形成や自己 実現を射程に入れた日本語教室では、学習者が抱える問題を互いに「専有」し合える ような教室設計を行う必要性があることを指摘する。

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日本語教室の相互行為における『話題』の専有(appropriation)―「対話」の談話分析を通して― - 寅丸真澄

Appropriation of “Topic” in Japanese Language Classroom Interactions as Shown Through Discourse Analysis of Learner-to-Learner “Dialog” - TORAMARU, Masumi