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ホアーン ティ ラン フォン(名古屋大学大学院生)、玉岡賀津雄(名古屋大学)


要旨

 現代ベトナム語はアルファベット表記を使用しているが、中国語から借用された漢語が多く、日本語の漢字語と音韻的に類似している。そこで、ベトナム人の中・上級レベルの日本語学習者38 名に、視覚呈示した漢字語をベトナム語に翻訳する課題を行った。漢字2 字語の初めの第1 漢字の音韻類似性は翻訳の正答率を低めたが、ベトナム語と日本語の使用頻度が高いほど正答率が上がり、学習者の語彙力も正答率に寄与した。反応時間は、漢字2 字語の初めの第1 漢字の音韻類似性は処理時間を遅滞させたが、語全体の音韻類似性およびベトナム語の使用頻度は処理を速めた。第1 漢字の音韻類似性、語彙力、語全体の音韻類似性、日本語の使用頻度には複数の交互作用が認められた。日本語の漢字語は、基本的にはベトナム語でも意味が理解されるものの、日本語で頻繁に使われ、語レベルの音韻類似性が高い漢字語は、両言語からの意味アクセスが可能となり、翻訳がより迅速に行われたようである。

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ベトナム人日本語学習者による漢字2字語の翻訳における 音韻類似性および語彙使用頻度の影響 - ホアーン ティ ラン フォン(名古屋大学大学院生)、玉岡賀津雄(名古屋大学)