日本語を主専攻とする台湾の大学生が日本語教師に期待すること −日本語学習目的との関係−


要旨

本稿の目的は、日本語を主専攻とする台湾の大学生が日本語教師に期待すること と、その期待することと学習目的との関係を明らかにすることである。1,165 名のア ンケートの回答を分析した結果、大学生が期待することは①専門性と教師としての態度、②学習者への配慮、③学位と指導経験、④人間性の4つに大きく分けられること が分かった。さらに、本調査対象者の主な日本語学習目的は 9 つあり、特に「就職」 のためという実利的な目的が最も多かった。加えて、学習目的と教師に期待すること との関係については、一部の目的では違いがみられたものの、主要な目的では、大き な違いはみられず、どのような目的を持って学習していても、教師に期待することは あまり変わらないということが分かった。このような本調査結果を、台湾の大学にお ける日本語教師一人一人が学習者とのインターアクションの取り方を考えるきっかけ にしたり、実践の場で活用してほしいと考えている。