2000 No.08
専門教育への橋渡しとしての日本語教育 ─『新書ライブラリー』における否定表現の分析より─
工藤嘉名子
1.はじめに
近年、専門教育への「橋波し」をする日本語教育の必要性が高まっている。その背景には、上級日本語課程を終えて学部・大学院に入ってくる留学生の多くは、上級日本語課程を修了しているにも関わらず、その日本語能力が専門教育を受けるためには十分ではないといった問題がある(横田1990)。