2002 No.10
韓国の大学における日本語教師の現状と役割
若月祥子・大塚薫
要旨
本研究では、韓国の大学で働くネイティブ教師の現状と抱えている問題を明らかにするとともに、韓国の大学で日本語教師に求められている資質・役割は何かを考察するために、2001年3月初めに韓国13大学、17人の日本語教師に対しインタビュー調査を行った。その結果、学部制、相対評価、教師への期待度の低さ、不安定な待遇等、韓国の大学におけるネイティブ教師をとりまく現状は決して明るいものとは言えないことがわかった。そのような中で教師が自分自身を生かすためには、韓国で教える目的意識、大学や韓国の日本語教育に自分が貢献できる分野や役割を見出すこと、韓国語能力と韓国に対する予備知識を身につけることが必要不可欠である。