2002 No.10
インタビュー法と参与観察法を用いた日本語教育研究の三つの事例
岩崎弥生・今井美登里・吉田麻子
要旨
本稿の目的は、三人の日本語教師が行った調在・研究の過程と内容を、事例を通して報告することである。三つの事例には、教育の場を出発点としていること、教室の外に目を向けて学習者や学習者を取り巻く問題を社会的コンテクストの中で見ようとしたこと、調査方法としてインタビュー法と参与観察法を用いたことの三つの共通した特徴があった。
事例1では、外国人宣教師を対象としたインタビュー調査と教会の日曜礼拝での参与観察を仮説生成の過程に焦点をあてて報告する.1「例2では、公立小・中学校の日本語補習現場での調査方法の模索について報告する。事例3では、海外で行った、インフォーマントが多様な調査の概要を述べ調査の利点がデータ分析に与えた制約を報告する。これらの調査・研究は、出発点である教育の場への貢献を目指している。